日本口腔腫瘍学会誌
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症例報告
上下顎歯肉に大きな腫瘤を形成した色素性母斑の1例
松尾 勝久喜久田 翔伍篠崎 勝美安陪 由思楠川 仁悟
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2020 年 32 巻 3 号 p. 71-76

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抄録
今回われわれは,上下顎の歯肉に大きな腫瘤形成を伴う色素性母斑の1例を経験したので報告する。
〈症例〉43歳男性,幼少時より左側上下顎歯肉の黒色斑,また20代から同部の腫瘤形成を認めていた。2005年9月,当センター紹介受診となった。2度の受診自己中断の後に,徐々に腫瘤の増大を自覚し,2016年4月,再度受診となった。左側上下顎歯肉に表面平滑,凸凹不整,弾性硬の黒色斑を伴う分葉状腫瘤形成を認めた。パノラマX線写真,CTにて異常な骨吸収像は認めなかった。確定診断をつけるため生検を行い,病理組織診断は真皮内型色素性母斑であった。患者が治療を希望せず,無加療で現在も経過観察中である。
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© 2020 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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