抄録
超高齢者の下顎骨に発生したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の1例を報告する。患者は転倒後の顔面痛を主訴に来院した98歳の男性。CT画像で右側下顎の頰側皮質骨に欠損を認め,同部からの生検を行った。その結果,H-E染色では中型から大型の異型リンパ球のびまん性増殖像を認め,免疫染色でCD20,CD79a,BCL-2が陽性であった。FDG-PETでは,下顎骨以外に異常集積は認めなかった。よって,下顎骨のDLBCLと診断した。患者は超高齢者であり,患者とその家族が治療を希望されず,best supportive careとした。しかし,下顎骨の腫瘍は経時的に増大しQOLが低下してきたので,30Gyの姑息的な放射線照射を行った。その結果,腫瘍は縮小し放射線治療後1年8か月の生存期間が得られたが,他病死した。