日本口腔腫瘍学会誌
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症例報告
開口障害を初発症状とした側頭骨ランゲルハンス細胞組織球症の1例
古川 浩平鳴瀬 智史津田 翔真片瀬 直樹柳本 惣市梅田 正博
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2022 年 34 巻 1 号 p. 57-63

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抄録

ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)はランゲルハンス細胞がモノクローナル性に異常増殖する稀な疾患である。今回われわれは,開口障害を伴ったLCHの1例を経験したため報告する。
患者は8歳女児で開口障害を主訴に来院した。造影CTおよびMRIで左側頭骨および頰骨に骨破壊を伴う腫瘍性病変を認め,FDG-PET/CTで左側側頭部および複数の頸部リンパ節にFDGの集積を認めた。全身麻酔下に側頭部腫瘍の生検を施行し,LCHの病理組織学的診断を得て,画像検査と併せLCH(多臓器型)と診断した。診断後より多剤併用化学療法を54週間施行し,完全寛解の効果判定を得た。化学療法終了後3年経過し,再発なく経過良好である。

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© 2022 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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