抄録
本論文は, 口腔癌患者におけるVideofluoro-graphyを用いた嚥下の評価に関する経験について述べた。17例の口腔癌患者を対象に検査を行った。嚥下の様相は, 術前ならびに術後の摂食開始時にVF検査にて評価され, 記録された。VFによる評価により臨床的な観察によって同定されない異常所見を見いだすことができた。患者とともにVF検査結果を基に嚥下訓練について話し合うことで, 患者の協力が得られた。以上のことから, VFによる評価は嚥下様相の理解とともに嚥下機能訓練に有用な方法と考えられた。