日本口腔腫瘍学会誌
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T1・T2舌癌の口腔内超音波所見と頸部リンパ節転移との関係
林 孝文新垣 晋星名 秀行
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2001 年 13 巻 3 号 p. 75-79

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抄録
T1・T2舌癌の頸部後発リンパ節転移を予測する上で, 超音波断層撮影法 (US) による口腔内走査の有用性を明らかにするために, 原発巣の超音波所見と頸部リンパ節転移との関係について検討した。対象は舌扁平上皮癌28症例であり, いずれも初回の頸部USにてリンパ節転移は認めなかった。7.5MHz探触子を用いた口腔内走査により, 原発巣の形態と厚みを評価した。形態は結節状と楔状に分類し, 厚みは腫瘍の表面から最深部までを0.1cm単位で計測した。頸部郭清術により10症例に病理組織学的転移リンパ節が認められた。腫瘍の形態が楔状を呈する群に後発転移リンパ節を有していた症例を有意に多く認めた。腫瘍の厚みでは, カットオフ値を1.0cmとした場合に, 後発転移を予測する上での診断精度が最高となることが示された (正診率71%) が, 形態が楔状の場合に潜在的転移リンパ節有りとした場合の診断精度はこれを上回った (正診率79%) 。
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