日本口腔腫瘍学会誌
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13 巻 , 3 号
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  • 道 健一
    2001 年 13 巻 3 号 p. 59-73
    発行日: 2001/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    近年, 口腔・中咽頭癌手術後の組織欠損を補填するための種々の再建手術術式が開発されているが, それらの術式の機能評価を客観的に行った研究は少ない。これまでの知見から口腔癌術後の機能評価の方法と機能評価の観点からの術後成績をまとめると以下の通りである。
    1.口腔癌術後の機能評価として言語機能の評価には口腔鼻腔遮断機能の臨床総合評価, 単音節発語明瞭度検査, 会話明瞭度検査が適切であり, 摂食機能の評価にはアンケート調査法, 発色ガム法, 水飲み検査が有用である。
    2.上顎切除症例で通常は顎補綴で機能障害が改善される。顎補綴によって機能が改善されない場合には, 補綴的発音補助装置の併用, 義歯の調整あるいはインプラント治療が適応となる。再建症例と補綴症例とでは機能障害の程度では大差はないが, 障害の性質が異なる。
    3.軟口蓋, 咽頭側壁切除症例では前腕皮弁などの柔軟な皮弁による再建と補綴的発音補助装置の併用が有効である。咽頭側壁の組織欠損が大きい場合には厚みのある腹直筋皮弁が適応になるが, 機能評価の点では皮弁による差はない。
    嚥下障害が必発するので適切な評価法を組合せた診断結果に基づいた訓練を術前から行う必要がある。
    4.舌・口底切除症例の機能予後は切除範囲, 切除部位によって異なる。前方型切除は再建を行っても著しい機能障害が残存しやすい。側方型切除では舌半側切除までの切除範囲では前腕皮弁などの柔軟な皮弁によって良好な機能が得られるが, 舌亜全摘以上の切除では腹直筋皮弁などの厚みのある皮弁の適用が適切である。舌半側切除以上の切除症例では嚥下障害が必発するので術前からの嚥下訓練が必要である。
    5.下顎, 頬粘膜切除例などでは一般に術後の機能障害は軽度である。下顎切除症例では咀嚼障害が顕著であるが顎骨再建後のインプラント治療が有効である。
  • 林 孝文, 新垣 晋, 星名 秀行
    2001 年 13 巻 3 号 p. 75-79
    発行日: 2001/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    T1・T2舌癌の頸部後発リンパ節転移を予測する上で, 超音波断層撮影法 (US) による口腔内走査の有用性を明らかにするために, 原発巣の超音波所見と頸部リンパ節転移との関係について検討した。対象は舌扁平上皮癌28症例であり, いずれも初回の頸部USにてリンパ節転移は認めなかった。7.5MHz探触子を用いた口腔内走査により, 原発巣の形態と厚みを評価した。形態は結節状と楔状に分類し, 厚みは腫瘍の表面から最深部までを0.1cm単位で計測した。頸部郭清術により10症例に病理組織学的転移リンパ節が認められた。腫瘍の形態が楔状を呈する群に後発転移リンパ節を有していた症例を有意に多く認めた。腫瘍の厚みでは, カットオフ値を1.0cmとした場合に, 後発転移を予測する上での診断精度が最高となることが示された (正診率71%) が, 形態が楔状の場合に潜在的転移リンパ節有りとした場合の診断精度はこれを上回った (正診率79%) 。
  • 久保田 裕美, 野口 誠, 宮崎 晃亘, 木戸 幸恵, 金城 尚典, 巣山 達, 中野 敏昭, 小浜 源郁
    2001 年 13 巻 3 号 p. 81-88
    発行日: 2001/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    術前療法後に外科療法を施行した下顎歯肉扁平上皮癌一次症例57例を対象とした。対象症例の縮小率, 軟組織での組織学的術前療法効果および硬組織中での組織学的術前療法効果の関係について検討し, 以下の結果を得た。1.縮小率が高いほど予後が良好であった。2.縮小率が高い症例は, 大星・下里分類で著効例が多く認められた。3.術前療法による顎骨中の腫瘍の組織学的効果は, 軟組織中の所見とほぼ同様であった。4.X線所見がinvasive typeの症例では, 術前療法後, 骨中に生活癌細胞の残存が認められる傾向にあった。
  • 譚 包生, 松浦 正朗, 瀬戸 〓一
    2001 年 13 巻 3 号 p. 89-94
    発行日: 2001/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    われわれは1987年から1996年までの間に, 北京口腔医院 (首都医科大学附属) において44例の顎下腺および舌下腺腫瘍を経験した。44例中39例は顎下腺腫瘍, 5例は舌下腺腫瘍であった。44例の腫瘍のうち, 良性腫瘍は29例 (顎下腺が27例, 舌下腺が2例) で, 悪性腫瘍は15例 (顎下腺が12例, 舌下腺は3例) であった。
    組織型は顎下腺の良性腫瘍27例中26例が多形性腺腫, 1例は血管腫で, 舌下腺の2例は乳頭状嚢腺腫であった。顎下腺悪性腫瘍の組織型は粘表皮癌が3例, 腺癌および腺房細胞癌が各2例, 腺様嚢胞癌, 筋上皮癌, 多形性腺腫内癌, 唾液腺導管癌, および扁平上皮癌が各1例であった。舌下腺の悪性腫瘍はそれぞれ腺房細胞癌, 腺様嚢胞癌および筋上皮癌であった。
    良性顎下腺腫瘍は前医で顎下腺を切除されていた2次症例の1例を除き, 全例顎下腺を含めて腫瘍を切除した。舌下腺腫瘍の1例は舌下腺および顎下腺を含め腫瘍切除, もう1例は術前に顎下腺腫瘍と診断されたため顎下腺と腫瘍が切除された。
    悪性腫瘍では, 症例により頸部郭清および下顎骨切除を併用し, 比較的広汎な腫瘍切除を行ったが, 顎下腺では原発巣の再発がやや高頻度にみられた。
  • 松浦 政彦, 石川 義人, 濤岡 一司, 福田 喜安, 工藤 啓吾, 武田 泰典
    2001 年 13 巻 3 号 p. 95-98
    発行日: 2001/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    増殖性天疱瘡は尋常性天疱瘡の亜型とされる稀な自己免疫性疾患である。今回われわれはエックス線写真で骨破壊像がみられ, 下顎歯肉癌との鑑別が困難であった増殖性天疱瘡の1例を経験したので, その概要を報告する。
    症例は49歳の男性で, 左側下顎歯肉の腫脹を主訴に来院した。初診時の口腔内所見では下顎左側歯肉に24×16mmの腫瘤が認められ, 潰瘍状を呈する部分も存在した。エックス線写真で下顎骨に骨破壊像が認められた。また, CTと頸部超音波検査にて頸部リンパ節の腫大が認められた。生検を施行し増殖性天疱瘡の病理診断がなされた。しかし, 臨床的に悪性腫瘍を完全に否定できないため, 全身麻酔下に病巣の切除術を施行した。病理組織診断は増殖性天疱瘡であった。術後良好に経過しているが, 他部位にも症状出現の可能性があるため, 今後も十分な経過観察が必要である。
  • 出雲 俊之
    2001 年 13 巻 3 号 p. 99-100
    発行日: 2001/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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