日本口腔腫瘍学会誌
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口腔癌の頸部リンパ節転移節外浸潤例に対する術後照射の臨床評価
西松 成器梅田 正博小松原 秀紀渋谷 恭之横尾 聡古森 孝英
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キーワード: 術後照射, 節外浸潤, 口腔癌
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2001 年 13 巻 4 号 p. 167-171

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抄録

口腔癌で節外浸潤を伴う頸部転移を認めた場合, 予後は著しく不良である。当科では1992年以降, 節外浸潤例に対して術後照射を施行してきた。今回, 節外浸潤例に対する術後照射の有用性に関して臨床的に検討し, 以下の結果を得た。
1) 術後照射が施行された照射群17例と非照射群12例との間に, 照射群でやや進展例が多くみられたものの, 治療時期以外の背景因子に特に差はなかった。
2) 照射群と非照射群との間で頸部制御率や生存率に有意差は認められなかった。
3) 死亡例の平均生存期間は非照射群より照射群の方がやや延長していたが, 入院期間も長くなっていた。
4) 以上のように今回の検討では節外浸潤例に対する術後照射の有用性は確認できなかった。

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