抄録
1980年Gaudererらにより経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) が開発されて以来, 経口摂取障害を持つ患者に対しPEGが施行されてきた。口腔癌治療ではしばしば嚥下障害を後遺することがある。従来よりこうした症例に対しては経鼻法が一般的であったが, チューブを頻回に交換するといった欠点や, 逆流性の誤嚥が報告されてきた。中心静脈栄養 (Intravenous high calory infusion; IVH) もまた, こうした患者に対して施行されてきたが, 常に感染の危険性が伴うのが現状である。
我々は今回, 口腔癌術後摂食障害に対してPEGを施行し胃瘻造設を行った症例について報告した。PEGは, 摂食障害症例に対して十分な栄養摂取を可能とする有用な方法であった。