日本口腔腫瘍学会誌
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下顎臼歯部歯肉に生じた巨大な骨形成性エプーリスの1症例
空閑 裕紀尾原 清司佐々木 秀和田部 眞治吉村 安郎
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2003 年 15 巻 2 号 p. 31-36

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抄録

エプーリスは歯肉に生じた良性の限局性腫瘤の総称で, 比較的よくみられる疾患である。今回われわれは, 下顎歯肉に発生した巨大な骨形成性エプーリスの1例を経験したので報告する。患者は78歳, 女性。右側下顎臼歯部歯肉の腫瘤形成を主訴に来院。腫瘤は右側下顎臼歯部歯肉にあり, 弾性硬, 有茎性であった。表面は平滑であるが数か所の潰瘍を伴っていた。
X線写真では, 腫瘤内に小さな放射線不透過性陰影が散在し, 多くの石灰化物を思わせた。また, 生検組織所見は炎症性肉芽組織であった。全身麻酔下に腫瘤摘出術を行ったところ, 腫瘤下に歯槽窩を確認した。摘出物は約61×48×40mm, 重さ約50gであり, 組織学的には膠原線維の増生を伴う線維性結合組織と, 骨芽細胞に囲まれた層板骨が散在していた。
最近10年間で長径3cm以上の巨大なエプーリスについて20症例の文献を渉猟することができ, 中でもわれわれの症例は中程の大きさであった。自験例を含めこれらの報告について, 患者の年令, 性別, 病変の部位, 大きさ, 治療について考察した。

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