日本口腔腫瘍学会誌
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口腔ガン過去45年間の研究・臨床から回想される歴史的経験
―特に未記載および後継者に託したい事項を中心として―
清水 正嗣
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2003 年 15 巻 3 号 p. 43-50

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抄録
前回, 本総説 [I] において1954年から1970年まで, 筆者清水が主として東京医科歯科大学口腔外科において経験した口腔腫瘍研究の歴史的関連事項について記した。今回, その後から2002年まで, 同様主要事項記載の予定であったが, 本総説1のあり方及び, 著者の目指す最終的内容の再検討を行った結果, その歴史的記載において年代的遡上の不十分なことなど, 欠けるもの大であることに気づかされた。そこで, 著者の恩師である上野及び中村の残した資料の再精査実施の結果, 本総説IIとして追加補填すべき重要事項を見いだし, 最小限追加記述した。特に, 1986年, 上野が恩師金森から贈られた2冊の著書を清水に自筆の贈呈の意と共に, 清水の研究進路についての忠告・教示を親書として開示したものの再読は, 本総説執筆の上で大きな示唆を著者に与えた。
最後に以上の課題について, 恩師上野正および中村平蔵の業績が, 現日本の口腔腫瘍・癌の臨床に貢献するものは歴史的にも大であり, 本総説IIの中心課題として限定的ながらも強調記載した。したがって, 前回1で予告した1970年代以降の口腔癌治療などについては, 次回IIIにおいて記載したい。
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