日本口腔腫瘍学会誌
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15 巻 , 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 清水 正嗣
    2003 年 15 巻 3 号 p. 43-50
    発行日: 2003/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    前回, 本総説 [I] において1954年から1970年まで, 筆者清水が主として東京医科歯科大学口腔外科において経験した口腔腫瘍研究の歴史的関連事項について記した。今回, その後から2002年まで, 同様主要事項記載の予定であったが, 本総説1のあり方及び, 著者の目指す最終的内容の再検討を行った結果, その歴史的記載において年代的遡上の不十分なことなど, 欠けるもの大であることに気づかされた。そこで, 著者の恩師である上野及び中村の残した資料の再精査実施の結果, 本総説IIとして追加補填すべき重要事項を見いだし, 最小限追加記述した。特に, 1986年, 上野が恩師金森から贈られた2冊の著書を清水に自筆の贈呈の意と共に, 清水の研究進路についての忠告・教示を親書として開示したものの再読は, 本総説執筆の上で大きな示唆を著者に与えた。
    最後に以上の課題について, 恩師上野正および中村平蔵の業績が, 現日本の口腔腫瘍・癌の臨床に貢献するものは歴史的にも大であり, 本総説IIの中心課題として限定的ながらも強調記載した。したがって, 前回1で予告した1970年代以降の口腔癌治療などについては, 次回IIIにおいて記載したい。
  • 坪井 佳世子, 神谷 祐二, 鈴木 晋也, 石田 洋一, 栗田 賢一
    2003 年 15 巻 3 号 p. 51-56
    発行日: 2003/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    発生部位が特徴的である甲状舌管嚢胞と側頸嚢胞は, その鑑別が比較的容易であり, いずれもまれに癌化することが知られている。
    今回われわれは甲状舌管嚢胞から発生したと思われる乳頭状腺癌の1例を経験したので報告する。
    患者は51歳の女性で, 3か月前より右側頸部に腫瘤を自覚していた。術前診査において, 胸鎖乳突筋の内側に40×20×15mm大の嚢胞性病変が認められた。
    われわれは側頸嚢胞の臨床診断のもとに病変を摘出した。しかし, 病理組織学的検索において, 摘出された嚢胞の一部に乳頭状腺癌がみられ, 免疫組織化学的に腫瘍細胞はサイログロブリン陽性であった。また, 術後8年間原発となりうる甲状腺乳頭癌が認められなかったため, 最終的に甲状舌管嚢胞から発生したと思われる乳頭状腺癌であると診断した。サイログロブリン免疫染色は甲状舌管癌と鰓原性癌の鑑別に有用であると思われた。
  • 古賀 真, 豊福 司生, 吉田 憲史, 古賀 千尋, 楠川 仁悟
    2003 年 15 巻 3 号 p. 57-64
    発行日: 2003/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    顎骨中心性にみられる癌腫はまれで, 歯原性嚢胞や腫瘍, 顎骨骨髄炎, 顎骨への転移性癌や浸潤癌などとの鑑別を必要とし, 診断に苦慮することも少なくないが, その詳細な検討は少ない。そこで, 当教室で経験した顎骨中心性癌3例について報告するとともに, 文献的な考察を加えて報告する。
    症例1: 64歳, 女性。右下顎骨体部の腫脹を主訴に1995年10月16日当科受診となった。臨床診断は右下顎骨中心性癌であった。術前化学療法としてPEP総量40mgを投与後, 全麻下に下顎骨部分切除術, 右全頸部郭清, 左顎下部郭清を行った。術後5年が経過したが再発なく良好に経過している。
    症例2: 56歳, 男性。右下顎骨体部の疼痛を主訴に1989年9月13日当科受診となった。臨床診断は右下顎骨中心性癌であった。術前療法としてPEP総量67.5mgの投与ならびにCo60総量19.5Gyの照射をおこない, 同年11月10日, 全麻下に下顎骨半側切除, 右全頸部郭清を行った。術後5年が経過したが再発なく良好に経過している。
    症例3: 51歳, 男性。口蓋部の腫脹を主訴に1999年8月20日当科受診となった。臨床診断は歯原性嚢胞に起因した上顎骨中心性癌であった。同年10月4日, 全麻下に上顎骨亜全摘術を行った。術後3年4か月が経過したが再発なく良好に経過している。
  • 君島 裕, 佐藤 泰則, 安藤 俊史, 高橋 雅幸, 黒川 英人, 納冨 武則
    2003 年 15 巻 3 号 p. 65-73
    発行日: 2003/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    耳下腺に発生する血管腫は小児に発生することが多く, 成人に発症する耳下腺血管腫はまれである。本邦での耳下腺血管腫の報告は個々の詳細が明らかであるものは, 1911年から現在まで, 自験: 例を含め42例であり, そのうち20歳以上は6例にすぎなかった。今回われわれはべーチェット病とシェーグレン症候群を合併し, 耳下腺に海綿状血管腫を生じた1例を経験したので若干の考察を加えその概要を報告した。患者は30歳女性で右耳下腺部の無痛性の腫脹を主訴として2000年4月12日に当科を受診した。MRIではT2強調で高信号を呈する腫瘤であり, この腫瘤は全身麻酔下で切除した。病理組織学的診断は, 海綿状血管種であった。
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