日本口腔腫瘍学会誌
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下顎歯肉に転移した肝細胞癌の1例
鈴木 幸一郎高橋 哲世良 仁向坊 明浩村山 敦
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2006 年 18 巻 2 号 p. 49-54

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抄録

肝細胞癌が下顎歯肉に転移した73歳, 男性の症例を報告した。原発巣に対してTAE (肝動脈塞栓術) を2回施行したが, 腫瘍の再増殖に伴い肝外側区域切除術を追加した。その翌月に下顎歯肉へ, さらに3か月後にオトガイ下リンパ節転移をきたした。この時点で原発巣, 遠隔転移巣とも制御されており, 何れの病巣も外科的切除により救済を行った。しかしながら, 次第に原発巣再発, 多発性転移 (前胸部, 骨, 肺) が発現し, 食道静脈瘤破裂も伴い, 転移性腫瘍切除後7か月で患者は死亡した。その間, 顎口腔領域, 所属リンパ節に腫瘍の再発を認めず, 口腔機能の維持によりQOLは保たれた。

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