日本口腔腫瘍学会誌
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ペプロマイシン投与後に間質性肺炎のため死亡した舌癌の2例
梅田 正博尾島 泰公小松原 秀紀重田 崇至南川 勉澁谷 恭之横尾 聡福田 全孝西松 成器古森 孝英
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2007 年 19 巻 3 号 p. 177-181

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抄録
ペプロマイシン (PEP) に起因すると疑われた間質性肺炎のため死亡した舌癌の2例を経験したので報告する。症例1は58歳男性で, 頬粘膜癌のため7年前にPEP40mgの投与, 放射線治療, レーザー手術を受けた既往がある。舌癌の診断のもと, PEPを25mg投与した後, 根治手術を行った。しかし術直後より間質性肺炎を発症し, 48日目に死亡した。症例2は71歳女性の舌癌患者で, 舌部分切除を施行したが, 13か月後に頸部後発転移を生じた。CDDP+5FU+PEPによる術前化学療法後に頸部郭清を予定したが, 間質性肺炎を生じ, 化学療法終了17日後に死亡した。年齢がそれほど高齢でなく, PEPの投与量が多くなくても, 間質性肺炎の発症には十分な注意が必要と思われた。
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