日本口腔腫瘍学会誌
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微小検体の取り扱いについて
―Liquid Based Cytologyの有用性と問題点―
佐藤 一道山根 源之田中 陽一
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2007 年 19 巻 4 号 p. 195-200

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抄録
今回, 口腔擦過細胞診におけるLiquid Based Cytologyの有用性と問題点をThin Prepを用い検討を行った。結果, 問題点としてはコストと時間, 保存液の保管場所が挙げられた。一方, 有用性としては以下の点が挙げられた。1.観察に十分な細胞が得られる。2.乾燥や塗沫操作による質の低下がない。3.口腔粘膜は出血しやすい環境にあるが, その出血等による不明領域を作らない。4.壊死組織等の癌背景やカンジダのような癌関連所見も完全には溶解されず, 観察が可能である。5.外向性の発育様式を示すタイプの腫瘍でも深層の細胞が採取されやすい。6.細胞の重積が少なく形態学的解析, 免疫組織化学染色, 分子生物学的解析への応用に有用である。このようにLiquid Based Cytologyは前述した問題点を上回る有用性の高いシステムであると考えられた。
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