日本口腔腫瘍学会誌
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2005年新WHO国際分類による歯原性腫瘍の発生状况に関する疫学的研究
日本口腔腫瘍学会学術委員会
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2008 年 20 巻 4 号 p. 245-254

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抄録
1995年1月から2004年12月までの10年間に本学会評議員が所属する61施設を受診し, 病理組織学的に歯原性腫瘍と診断された5231例に対して, 2005年に改定された歯原性腫瘍の新WHO国際分類に基づいて検討した。61施設の種類別には, 医科大学が28施設と最も多く, 歯科大学, 病院はそれぞれ25施設, 8施設であった。性別では男性2582例 (49.4%) , 女性2649例 (50.6%) であった (男女比, 1: 1.03) 。病理組織学的に確認ができた歯原性腫瘍の総数は5193例であり, その内訳は良性5151例 (992%) , 悪性42例 (0.8%) であった。疾患別ではエナメル上皮腫が最も多く1460例 (良性腫瘍の28.3%) , 次いで角化嚢胞性歯原性腫瘍1258例 (24.4%) , 歯牙腫1079例 (20.9%) , 骨関連腫瘍793例 (15%) の順であった。発生部位では, 上顎1313例に対して下顎4000例と多く, ほとんどは臼歯部に発生していたが, 左右差はなかった。
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