日本口腔腫瘍学会誌
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頬粘膜癌19例の治療と予後の検討
小宮 善昭高森 康次内田 育宏岩本 昌平
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キーワード: 頬粘膜癌, 生存率, 癌治療
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1993 年 5 巻 2 号 p. 109-117

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抄録

1976年5月より1990年12月までの15年間に, 都立駒込病院で治療した19例の頬粘膜扁平上皮癌の一次症例について検討した。患者の平均年齢は70.6歳であった。
(1) . UICCによる病期分類はT3, T4の進展症例が多く, NO症例は63.2%, 全例MOであった。
(2) .治療法は一次治療法により放射線治療群と手術治療群の2群に分けて検討すると, 放射線治療群が9例 (50.0%) で, 全例が放射線単独であった。併用療法をおこなった症例のうち, 手術前後に照射をおこなったのは2例, 手術単独が3例で, それぞれの局所制御率は放射線治療群が44.4%, 手術前後に照射をおこなったのは0%, 手術単独が100%であった。病期別にはStage IIIが37.5%, Stage IVが100%で, 部位別では頬粘膜57.1%で, 日後部では50%であった。
(3) . 19例の頬粘膜癌全体の5年累積生存率は55.1%であった。T分類別の5年累積生存率はT1が66.7%, T2が64.8%, T3が34.3%, T4が53.3%であった。治療法別では, 手術治療群は76.5%と放射線治療群の36.8%より優位であった。

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