日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
下顎犬歯根尖部に限局してみられたエナメル上皮腫の1例
原田 博紀鹿渡 靖子熊谷 茂宏中川 清昌山本 悦秀
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 5 巻 3 号 p. 310-314

詳細
抄録

エナメル上皮腫は通常, 下顎骨の大臼歯部または小臼歯部, あるいは下顎枝部に発現し, 下顎前歯部に生じることは稀である。
われわれは, 33歳男性の3根尖部に限局してみられたエナメル上皮腫の1例を経験したので報告する。患者は生活歯である3根尖部に原因不明のX線透過性病変があるのを近くの歯科で偶然発見され, 精査を目的に当院に紹介された。X線検査では, 3根尖部に辺縁が不規則で内部は蜂巣状を呈するX線透過性増強像を認めたため, 歯原性腫瘍を疑い摘出術を行った。病理組織学的には, 胞巣中心部の扁平上皮化生を特徴とする棘細胞腫型エナメル上皮腫 (WHO分類) であった。これらの所見から, 本腫瘍はMalassez上皮遺残より発生した初期のエナメル上皮腫であることが示唆された。現在, 術後7か月を経過したが再発等の異常所見は認めていない。

著者関連情報
© 日本口腔腫瘍学会
前の記事
feedback
Top