日本口腔腫瘍学会誌
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口底・腎・肝に認められた同時性三重複癌の一症例
吉田 真澄桐田 忠昭大儀 和彦藪内 久土田 雅久上林 豊彦杉村 正仁吉村 淳中島 祥介永吉 純一岩井 哲郎
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1994 年 6 巻 1 号 p. 43-49

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抄録

近年, 癌の診断技術と治療の発達により, 重複癌の発見頻度は増加している。今回われわれは, 口底 (扁平上皮癌) と腎 (腎細胞癌) , 肝 (肝細胞癌) の同時性三重複癌の一症例を経験したので報告する。症例は75歳男性で腎および肝腫瘍手術目的のため当院泌尿器科に入院中の1991年4月18日, 左口底から歯肉にかけての有痛性の潰瘍を主訴に紹介受診した。左口底癌を疑い, 組織生検を施行, 扁平上皮癌 (T2NOMO) の診断を得た。全麻下にて, 口底腫瘍切除術, 下顎骨辺縁切除術, 右腎根治的全摘出術, S6肝区域切除術を施行し, また術後補助療法として放射線療法, 化学療法を併用施行した。以降, 当科, 泌尿器科, 腹部外科にて経過観察中であるが, 術後2年3か月現在, 再発, 転移なく経過良好である。

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