日本口腔腫瘍学会誌
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病理組織学的に形質細胞腫が疑われた下顎根尖性セメント質異形成症の1例
門前 敬子水城 春美河野 憲司柳澤 繁孝清水 正嗣
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1995 年 7 巻 3 号 p. 180-184

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抄録
根尖性セメント質異形成症に感染を合併したことから, 病理組織検査において形質細胞腫が疑われた1例を報告する。
症例は45歳の女性で, 左下顎臼歯部の腫脹を主訴に当科を受診した。X線検査にて67, 8765, 7尖周囲に不透過性病変を認めた。根尖性セメント質異形成症の臨床診断下に, 67部病変を摘出した。組織学的には病変はセメント質様硬組織よりなり, 硬組織間および周囲の軟組織に多数の形質細胞様細胞の集簇を認め, 形質細胞腫と診断されたため下顎骨辺縁切除術を施行した。切除組織の組織検査では形質細胞の集簇は認めなかった。術後1年4か月が経過しているが, 再発等の異常所見は認めない。
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