日本口腔腫瘍学会誌
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頸部リンパ節転移のCTならびに組織学的所見の比較検討
井手山 美佳子横江 義彦竹信 俊彦瀬上 夏樹西田 光男村上 賢一郎兵 行忠飯塚 忠彦
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1995 年 7 巻 4 号 p. 347-353

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抄録

口腔および上顎洞癌24例について, 術前の造影CT上で確認された128個の頸部リンパ節の画像所見とそれに対応する摘出リンパ節の転移の有無ならびに病理組織学的な進展度を比較した。頸部リンパ節のCT所見は, (1) リング状の増強を示すもの, (2) 不均一な増強を示すもの, (3) 均一で増強所見のないものの3種類に分類した。その結果, CT上でリング状の増強を示すリンパ節は転移リンパ節である傾向にあった。さらに, 転移リンパ節のうちCT上でリング状の増強が認められたリンパ節は節外浸潤あるいはびまん性に増殖する傾向が強いのに対し, 一部不均一な増強がみられるもの, あるいは全く増強所見を示さないリンパ節は病理組織学的進展度が低い傾向がみられた。
すなわち, 術前のCT所見により, 節外浸潤の有無や組織学的悪性度の推測が可能であることが示唆された。

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