日本口腔腫瘍学会誌
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下顎骨に発生した中心性巨細胞肉芽腫の1例
野添 悦郎三村 保登 正太郎平原 成浩梁 少銘仙波 伊知郎北野 元生
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1995 年 7 巻 4 号 p. 381-386

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抄録

10歳男児の下顎骨に発生した中心性巨細胞肉芽腫の1例について報告する。
病変はX線像で右側下顎枝やや上方に約40×40mm大, 単房性の嚢胞様病変を呈し, 下顎骨は病変によって膨隆し, 皮質骨は菲薄化していた。生検時, 巨細胞肉芽腫が疑われた。穿刺にて血性漿液を吸引し, 生検時出血が顕著であったため, 全身麻酔下, 外頸動脈を一時結紮し, 口腔外より腫瘍摘出を行った。腫瘍の周囲にはシャーベット状の骨組織を認め, 腫瘍は下顎骨から容易に剥離可能であった。
病理組織学的検索において, 病変は主として線維芽細胞様紡錘形細胞と多核巨細胞からなり, 多数の線維芽細胞様紡錘形細胞は, 膠原線維の産生をともなって花むしろ状に配列していた。比較的多数の多核巨細胞は不均一に分布していた。病変内には拡張した毛細血管が認められ, 一部に骨芽細胞に周囲を取り囲まれた反応性の新骨梁の形成が認められた。
術後7年10か月を経過するが, 再発は認めていない。

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