抄録
今回我々は, 奈良県下の医療機関の協力を得て, 小児気管支喘息管理についてのアンケート調査を行った. 対象期間は, 2004年6月1日から7月31日までの2ヵ月間で, 奈良県下の医療機関にアンケート用紙を設置し, 回収した. 468人から回答を得た. 患者背景は0.5~21歳 (中央値6歳) であった. 性別は, 男310人, 女155人, 無記名3人であった. 喘息発症年齢は0~12歳 (中央値2歳), 喘息と診断された年齢は0~14歳 (中央値2歳) であった. 発作時期は夏に少なかった. 喘息悪化要因を両親が認識していたのが90.7%にみられ, 家塵と風邪が多かった. 喘息発作による入院を経験したのは64.7%であった. 医療機関への受診は, 発作時のみが17.4%, 定期受診が82.6%と定期受診患者が多かった. ほとんどの患者が予防薬を使用しており, その名前と使い方も, 理解していた. 保護者が, 患児の喘息症状のコントロールが不十分, ならびに全くできていないと考えている率は, 合わせて14.4%であり, 保護者の生活への支障もみられることから, 今後, どのようにQOLを高めていくかが検討課題と思われる.