2007 年 21 巻 2 号 p. 196-204
小児気管支喘息患者において,ロイコトリエン受容体拮抗薬プランルカストとクロモグリク酸ナトリウム(DSCG)の臨床効果について比較検討した.対象は2~13歳(中央値は4歳)の副腎皮質ステロイド薬を使用していない小児気管支喘息患者20名で,8週間投与による多施設交叉比較試験により行った.プランルカストは7mg/kgを2回に分けて経口投与し,DSCG は1回20mgを1日2回吸入した.プランルカストと DSCG との間には有意差は認められなかったが,プランルカストは小児気管支喘息の自覚症状の改善や併用薬剤の減量効果における有用性が示された.また患者や保護者の QOL の改善および使用感は DSCG より良かった.よって,プランルカストは小児気管支喘息治療において有用な薬剤と考える.