日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
Print ISSN : 0914-2649
ISSN-L : 0914-2649
原著
JAPANESE PEDIATRIC ASTHMA CONTROL PROGRAM(JPAC)の有用性に関する検討
西牟田 敏之渡邊 博子佐藤 一樹根津 櫻子松浦 朋子鈴木 修一
著者情報
ジャーナル 認証あり

2008 年 22 巻 1 号 p. 135-145

詳細
抄録
【目的】喘息ガイドラインの治療管理が適確に遂行されるために,重症度とコントロール状態の両方を簡単に判定できる JPAC 設問票を開発し,有用性を検討した.
【方法】JPAC 設問票は,喘息症状,呼吸困難,日常生活障害に関する3設問から重症度を判定し,これに運動誘発喘息と β2 刺激薬使用頻度を加えた全5設問からコントロール状態を判定する.下志津病院受診中の5歳から19歳の喘息患者225名を対象に,JPAC 点数と重症度,呼吸機能検査との関係を検討した.
【結果】重症度増加と JPAC 点数減少は,Jonckheere-Terpstra 検定によって p<0.0001と有意な関連性を示した.症状と頻度から判定した各重症度におけるJPAC点数のmean±S.D.は,寛解15±0,間欠型14.9±0.3,軽症持続型13±1.2,中等症持続型9.2±1.0,重症持続型7±2.4であり,完全15点,良好12~14,不良11点以下と設定したコントロール基準と整合性があった.JPAC 点数と呼吸機能検査の関係は,%FEV1.0,%MMF,%V'50において p<0.0001と有意な相関を認めた.
【結語】JPAC は,患者の重症度とコントロール状態を判断するのに適しており,ガイドライン治療の普及に役立つ.
著者関連情報
© 2008 日本小児アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top