日本小児アレルギー学会誌
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総説
気管支喘息児キャンプ療法について
小田嶋 博
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2008 年 22 巻 3 号 p. 333-340

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抄録

小児の喘息キャンプは長く行われてきたが,主に薬物療法の進歩により症状が改善している今日だからこそ,アドヒアランス/コンプライアンスの向上や自己管理が重要であり,これらを獲得するのに適切な場としてキャンプは有用である.キャンプは総合的医療の場として特に今日的問題を抱える喘息の子供達に多くの経験的効果をもたらすと考えられる.しかし,その実施にはスタッフの育成,実施場所,参加する子供達の変化などいくつかの問題が存在する.最近の子供達の多様性,それに応じたきめ細かい対応を行うためには,専門のスタッフの確保が必要であり,このような状況の中でキャンプを有効に活用する方法の検討も必要である.また,今後,専門のスタッフの育成や喘息キャンプの長期的効果を社会経済的側面も含めて検討することも必要である.

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© 2008 日本小児アレルギー学会
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