抄録
[目的]小児喘息ガイドラインに基づく治療管理の遂行に役立つ JPAC ならびに C-ACT という2種類の調査票の判定結果を比較し,両者の相関性,互換性を検討した.
[方法]国立病院機構の8病院に受診している4歳以上,12歳未満の喘息患者とその保護者に対して,外来受診時に C-ACT と JPAC の両方の調査を行い,318例の回答を得た.JPAC 点数と C-ACT 点数の関係を Pearson の積率相関係数により,JPAC と C-ACT の設問項目に対する回答比較はχ2検定により検討した.
[結果]318例の JPAC 点数と C-ACT 点数の相関係数は0.7525で,p<0.0001 と有意な相関を示した.JPAC と C-ACT の運動誘発喘息,夜間睡眠障害に関する設問の線形連関性は,p<0.0001と有意な相関を示した.
[結論]両者の関係は,y=1.2544x+6.7672の直線回帰を呈し高い相関性を有することから,C-ACT の26点以上を完全コントロール,20~25点をコントロール良好,20点未満をコントロール不良と設定すれば,JPAC の判定基準と互換性があることが判明した.