日本小児アレルギー学会誌
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原著
小児気管支喘息患者におけるサルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤の加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)による治療とサルメテロール及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用療法との臨床的比較及び長期投与時の安全性の検討
西間 三馨西牟田 敏之森川 昭廣
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2009 年 23 巻 1 号 p. 147-160

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抄録

小児気管支喘息におけるサルメテロール(以下 SLM)/フルチカゾンプロピオン酸エステル(以下 FP)配合剤(以下 SFC)の有効性,安全性及び利便性について検討した.方法は,SFC 25/50μg(カウンター付き pMDI による1回1吸入,1日2回)と SLM 25μg及び FP 50μg(DPIによる各1回1吸入,1日2回)の併用との4週間投与による2期交叉比較(休薬期間:2週間)及び SFC 25/50μg(カウンター付き pMDI による1回1吸入,1日2回)の20週間投与による延長投与試験とした.
本試験には51例が組み入れられ,交叉比較期間の有効性解析対象は48例(男:32,女:16),平均年齢8.4歳(5~14歳),喘息の重症度は軽症持続型11例,中等症持続型37例であった.スペーサー(エアロチャンバープラス®)の使用率は89.6%であった.
その結果,交叉比較期間(投与後1~4週)の朝の Peak expiratory flow(以下PEF)のベースラインからの平均変化量は両群とも有意に増加し[ SFC 群:14.6 L/min(p=0.0030),SLM+FP 群:17.0 L/min(p=0.0003)],SFC(pMDI 製剤)と SLM 及び FP(DPI 製剤)の併用の同等性が示された.また,利便性に関する評価ではSFC は SLM と FP の併用よりも利便性に優れており,SFC のカウンターは吸入確認に有用であることが示された.延長投与期間には50例が移行し,全例が投与を完了した.延長投与期間中は交叉比較期間終了時に認められた PEF の改善が維持され,良好な安全性及び忍容性が示された.[Trial registration: Clinicaltrials.gov Identifier: NCT00448435]

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© 2009 日本小児アレルギー学会
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