日本小児アレルギー学会誌
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原著
広島県におけるJapanese Pediatric Asthma Control Program(JPAC)を用いた小児気管支喘息実態調査
岡畠 宏易喜多村 哲朗藤高 道子池田 政憲有田 昌彦
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キーワード: 実態調査, 重症度, 小児, 喘息, JPAC
ジャーナル 認証あり

2009 年 23 巻 5 号 p. 665-672

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抄録
2008年9-12月に,広島県内89医療機関を定期受診した小児気管支喘息患児2052名(0-1歳:2-5歳:6-15歳=130:1009:913)を対象とし,JPACを使用して喘息の治療および発作の状況に関して実態調査を実施した.
設問の「最近1ヶ月間の喘息症状と生活の障害」中,「ゼーゼー・ヒューヒューした日」は878名,「呼吸困難(息苦しい)のある発作」は426名,「夜中に目をさましたこと」は476名の患者にみとめ,これら3つがいずれも「まったくない」児は1093名であった.JPAC合計点数15点の完全コントロールは681名,12-14点の良好なコントロールは813名,11点以下のコントロール不良は558名で,使用している長期管理薬は,いずれの年齢ともロイコトリエン受容体拮抗薬が最も多く,ついで吸入ステロイド薬であった.治療ステップを考慮した重症度では,年齢が低い児ほど重症度が高かった.
JPACは地域における喘息患者の重症度やコントロール状態の調査に役立てることの可能なツールであると考えられた.
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© 2009 日本小児アレルギー学会
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