2010 年 24 巻 1 号 p. 125-134
【目的】小児気管支喘息の治療状況をJapanese Pediatric Asthma Control Program (JPAC)を用いて横断的に調査した.【対象と方法】愛知県下の病院小児科38施設で,平成20年11月に喘息管理のために定期受診した患児を対象として,JPACを用いた調査と,ガイドラインに基づく主治医の重症度判定を行った.【結果】対象者は男児535人,女児283人,平均年齢7.0±3.7歳.JPAC合計点数で,15点(完全コントロール)が27.5%,14~12点(良好なコントロール)が47.1%,11点以下(コントロール不良)が25.4%であった.重症度判定とJPAC合計点数には有意な関連が認められたが,軽症持続型の44.7%,中等症持続型の71.9%でJPACではコントロール不良に該当した.吸入ステロイドは52%,ロイコトリエン受容体拮抗薬は77%に使用されていた.【結論】吸入ステロイドの導入率向上にもかかわらず,JPACによるコントロール状況の評価は主治医の重症度判定よりも低めに出る傾向が認められた.