日本小児アレルギー学会誌
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第46回日本小児アレルギー学会シンポジウム1 食物アレルギー:診断と治療の標準化に向けての軌道設計
経口免疫療法の標準化のために解決すべき課題
柘植 郁哉近藤 康人安在 根湯川 牧子小松原 亮成瀬 徳彦平田 典子鈴木 聖子安藤 仁志宇理須 厚雄山田 一惠小林 幸子木村 守
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2010 年 24 巻 1 号 p. 47-51

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抄録

6歳以上の鶏卵アレルギー児37例を対象に,低アレルゲン化鶏卵を用いた経口免疫療法のプラセボコントロール試験を行い,併せて各種免疫学的パラメーターを検討した.
結果は,実薬群の耐性化率が,1ヵ月で6/23(26.1%),2ヵ月が9/23 (39.1%)であり,偽薬群では1/11(9.1%)であった.免疫学的パラメーターでは,特異的IgG4の増加,INF-γ/IL-4の両者の抑制,TGF-βの増加が認められ,本治療法でのTh1/Th2の両者の抑制に,TGF-βが関与する可能性が示唆された.
経口免疫療法を確立するためには,基礎的検討を織り交ぜた臨床研究を行い,成果を次の臨床研究に繋げていくといった積み重ねが必要と考えられた.

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© 2010 日本小児アレルギー学会
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