2010 年 24 巻 1 号 p. 47-51
6歳以上の鶏卵アレルギー児37例を対象に,低アレルゲン化鶏卵を用いた経口免疫療法のプラセボコントロール試験を行い,併せて各種免疫学的パラメーターを検討した.
結果は,実薬群の耐性化率が,1ヵ月で6/23(26.1%),2ヵ月が9/23 (39.1%)であり,偽薬群では1/11(9.1%)であった.免疫学的パラメーターでは,特異的IgG4の増加,INF-γ/IL-4の両者の抑制,TGF-βの増加が認められ,本治療法でのTh1/Th2の両者の抑制に,TGF-βが関与する可能性が示唆された.
経口免疫療法を確立するためには,基礎的検討を織り交ぜた臨床研究を行い,成果を次の臨床研究に繋げていくといった積み重ねが必要と考えられた.