肺炎クラミジアは,人に急性感染,慢性感染を起こし喘息の急性発作ばかりでなく,喘息の本態である慢性炎症にも関与している可能性が高い.肺炎クラミジア感染と喘息との関連については,エビデンスが十分に集積している.喘息の慢性安定期に抗菌薬を投与すると喘息の症状や肺機能が一過性ではあるが改善したとする報告は多い.喘息の急性発作時に抗菌薬を投与すると肺機能が喘息の症状や肺機能が一過性ではあるが改善したとする報告も見られるがまだまだ不十分である.喘息に対して抗菌薬を投与すべきかどうかについては更なるエビデンスの集積が不可欠であるが,もし抗菌薬を投与すべき時は肺炎クラミジアに抗菌力を有するマクロライド系などの抗菌薬を選択すべきである.