抄録
初経開始前から月経喘息を呈した13歳女児例を経験した.
症例は8歳から気管支喘息を発症し,近医小児科で経過観察をされていた.
小学校6年生になって,気管支喘息発作の出現が,1ヶ月程度の周期性を示すようになり,発作の2, 3日前より,全身倦怠感などが出現するようになった.
中学1年生になって,初経開始後は喘息発作が月経開始2, 3日前から月経開始3日目まで続くようなり,月経随伴症状として,不安,いらいら感,疲れやすさ,だるさ,四肢のむくみ,睡眠障害が認められ,学校生活に支障が出るようになったため,月経前症候群と診断した.家族と本人の同意を得て,症状出現時のSSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)の適応外使用を開始したところ,著効した.