抄録
食物経口負荷試験(Oral food challenge, OFC)は,食物アレルギー診断のgold standardであり,アレルギー専門施設のみならず,広く全国の小児科で実施されている.OFCは,食物アレルギーの初期診断だけでなく,耐性獲得の診断にも重要な役割を果たす.最近では「必要最小限の除去」を目指すために,少量であっても安全に摂取可能なアレルゲン量を決定することを目的とするOFCも,専門施設を中心として行われることが増加してきた.OFCの標準的な方法についてはガイドラインも発行され,ほぼ確立してきたといえる.しかし,その結果に基づき,特に負荷試験陽性者に対して安全域を見込んで食事指導を進める方法については,今後の十分なエビデンス作りが求められている.