抄録
近年における治療の進歩により,小児の喘息は軽症例が多数を占めるようになった.しかしながら,その長期的な予後は決して楽観的なものではなく,軽症に対してこそ有意義な治療が求められている.小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2012は,重症度を考慮した適切な治療を行い,患児のQOLを改善させることを主眼に置くが,さらに成人まで持ち越さないために,長期間,良好なコントロールを維持することを改めて強調している.本章に示す重症度の評価は意義深く,個々の症例において病態生理に則した客観的な評価を適時行い,治療・指導を進めていくことは重要である.