日本小児アレルギー学会誌
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シンポジウム6 新生児乳児消化管アレルギー
新生児・乳児消化管アレルギーの診断について
木村 光明
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2013 年 27 巻 1 号 p. 67-72

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抄録
新生児・乳児消化管アレルギーは,細胞依存性アレルギーの機序により,主に消化管症状を呈する食物アレルギーの一型である.症状は血便や嘔吐,下痢などであり,さまざまな組み合わせで各患者に発生する.診断には,(1)原因食物摂取後に発症すること,(2)原因食物中止後症状は消失し,かつアレルゲン除去食による治療開始後は症状再燃をみないこと,(3)原因食物の負荷試験が陽性であること,の3条件を満たす必要がある.診断確定のためには負荷試験が不可欠であり,無用な食物制限を避けるためにも可能な限り実施することが望ましい.牛乳蛋白が原因の患者では,牛乳蛋白に対するアレルゲン特異的リンパ球刺激試験(ALST)の陽性率が高く,診断的に有用である.IgE抗体は通常陰性である.
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© 2013 日本小児アレルギー学会
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