日本小児アレルギー学会誌
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総説
蕁麻疹,血管浮腫を示す遺伝性疾患
西小森 隆太
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2015 年 29 巻 5 号 p. 709-717

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抄録

小児アレルギー外来で,難治性蕁麻疹,血管浮腫を診療する機会は少なからずある.多様な原因が報告されているが,遺伝性疾患も可能性の1つとして認識しておくことは重要である.今回の総説では,蕁麻疹,血管浮腫を呈する遺伝性疾患として,前者としてクリオピリン関連周期熱症候群,フォスフォリパーゼCγ2関連抗体欠損免疫異常症,NLRC4異常症,後者として遺伝性血管浮腫について解説した.いずれも有病率は高くはないが,疾患特異的な治療が存在し早期診断が患者QOLの向上につながる.診断のためには,まずその疾患の存在を知り,臨床像を把握しておく事が重要である.また,これらの疾患は常染色体優性遺伝形式だが,de novoの変異で孤発例として発症する場合,必ずしも家族歴があるとはかぎらないことも留意すべきである.

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© 2015 日本小児アレルギー学会
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