日本小児アレルギー学会誌
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総説(シンポジウム1:新生児・乳児消化管アレルギーの病態解明へのアプローチ)
消化管アレルギーに関する免疫細胞
井上 祐三朗
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2017 年 31 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

 Food protein-induced enterocolitis syndrome (FPIES) はnon-IgE-mediated gastrointestinal food allergyの一つであり, 特異的Tリンパ球による非IgE依存性アレルギーと考えられている. 末梢血単核球の解析では, アレルゲン特異的Th2細胞に加えてIL-9産生性T細胞の増加が報告されており, 病態への関与が示唆される. また, わが国においては, 特異的IgE陽性のatypical FPIESが, 欧米よりも多く報告されており, IgEを含めた液性免疫の関与についても, さらに検討する必要があると考えられる. FPIESの発症早期には, 消化管粘膜へのマスト細胞の浸潤を認め, その誘導や活性化にかかわる因子の解析が病態解明に結びつく可能性がある.

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© 2017 日本小児アレルギー学会
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