2017 年 31 巻 1 号 p. 89-95
診療ガイドラインにはエビデンスに基づいた記載が求められており, エビデンスとして信頼性の高いシステマティックレビューを採用することが推奨されている. システマティックレビューの行程は, 検索式を用いた網羅的な文献検索から始まる. 次に採用基準にあてはまらないものを除外し, 最終的に残った文献からデータを抽出する. そしてメタアナリシスなどの統計解析も行って, 総合的な結論を導き出す. 診療ガイドラインには, クリニカルクエスチョン (CQ) に対してエビデンスの質も同時に評価した推奨文を掲載する. 「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン (JPGL) 」改訂にあたり, JPGL委員会は治療に関連した8つのCQを提起し, 24名の小児科医で結成されたSRチームがシステマティックレビューを行った. 既存のコクランレビューをもとに, CQに関連するランダム化比較試験を検索し, 各試験のバイアス・リスクも評価した. わが国の状況も加味したCQに対する推奨文が, JPGL委員会とSRチームとの協議によって作成された.