教育現場では緊急時対応を含めた食物アレルギーに関する講習会が近年増加している. われわれは講習会前後でアンケートを行い, その結果から講習会の効果と課題を検討した. 対象は2014年5月~2015年8月に, 奈良県内の市町村, 学校, 幼稚園, 保育園主催で計13回開催された講習会で, 参加者は教職員, 保育士, 栄養士, 調理師, 学童指導員など計1,356名であった. エピペン®に関して 「使用する自信がある」 「使用のタイミングがわかる」 と回答した参加者は講習会後有意に増加した. 講習会後, 理解を深めたという意見や, 研修やマニュアルの必要性など今後の課題に関する意見も認め講習会の効果と考えられたが, 一方 「具体的な症例が見たい」 「エピペン®はやはり不安」 などの意見, 指示書の質への不満も認められた. 講習会の効果があったと考えられるが, 講習会後の意見から講習会の内容について検討していく必要性が考えられた. こうしたアンケートは, 次回の講習会の内容の変更すべき問題点を指摘するのに有用と考えられる.