日本小児アレルギー学会誌
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ガイドライン解説:食物アレルギー診療ガイドライン2016
第1章 定義・分類・症状
伊藤 浩明海老澤 元宏藤澤 隆夫
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2017 年 31 巻 2 号 p. 174-179

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抄録

1. 食物アレルギーとは, 「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」 と定義する.

2. 食物またはその成分がアレルギー症状の誘発に関与している場合は, そのアレルゲンの侵入経路を問わず, 食物アレルギーとする.

3. 食物アレルギーは, 免疫学的機序によって大きくIgE依存性反応と非IgE依存性反応に分けられる. また, アレルゲン曝露から症状誘発の時間経過によって, 即時型反応と非即時型反応に分けられる. IgE依存性反応の多くは即時型反応を呈するが, 両者は必ずしも一致しない.

4. 食物アレルギーによって, 皮膚, 粘膜, 呼吸器, 消化器, 神経, 循環器などのさまざまな臓器に症状が誘発される.

5. アナフィラキシーとは, 「アレルゲン等の侵入により, 複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され, 生命に危機を与え得る過敏反応」 と定義する. アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合を, アナフィラキシーショックという.

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© 2017 日本小児アレルギー学会
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