日本小児アレルギー学会誌
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原著
菓子摂取後にアナフィラキシーを呈したエリスリトールアレルギーの10歳女児例
益海 大樹竹村 豊有馬 智之長井 恵山崎 晃嗣井上 徳浩竹村 司
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2017 年 31 巻 3 号 p. 262-267

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抄録

 エリスリトールは低分子の糖アルコールで, カロリーが極めて低く, 甘味料としての需要が拡大している. 症例は10歳女児. 8歳, 9歳時にアイスクリームなどを摂取後のアナフィラキシー歴を3回有していたが, 原因は不明であった. 10歳時, 公園で遊び, 複数の菓子を摂取後に咽頭痛と乾性咳嗽, 蕁麻疹を認め, 当院外来を受診. 菓子内にはエリスリトールとソルビトールが含まれ, アレルゲンの可能性が考えられた. エリスリトールとソルビトールのプリックテストはともに陰性で, 皮内試験ではエリスリトールのみ陽性であった. 両者の食物経口負荷試験を施行し, ソルビトールは陰性, エリスリトールは合計1.7g摂取し30分後に皮膚・呼吸器症状を認め, アナフィラキシーを呈した. のちに実施した好塩基球活性化試験 (BAT) では反応を認めなかった. 近年, エリスリトールによる即時型食物アレルギーの報告例が増加している. 小児で摂取頻度の高い菓子に含有されていることがあり注意を要する. 本症例の糖類摂取における食事指導に有用であった.

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© 2017 日本小児アレルギー学会
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