【目的】小学校教員の 「食物アレルギー児対応に関する不安」 の構造, その影響要因を検討した.
【方法】神奈川県内の公立小学校に質問紙を配布し498名から回答を得た. 構造把握は探索的因子分析, 影響要因の検討はロジスティック回帰分析を行った.
【結果】教員の 「食物アレルギー児対応に関する不安」 は, 『食物アレルギー児の症状出現に関する不安』『食物アレルギー児対応のシステムや教育体制に関する不安』『食物アレルギー児の管理に関する不安』『エピペン®の使用に関する不安』『食物アレルギー児の心理面に関する不安』の5因子で構成されていた. また, その影響要因を検討した結果, 学級担任・担任外教員の不安の強さが示され, 食物アレルギーや食物アレルギー児対応に関する知識が不安を減少させる可能性が示唆された.
【結語】教員の多様な側面からなる不安を考慮した研修内容・支援方法の検討や, 特に不安の強い食物アレルギー児と直接的にかかわる教員に対する支援の充実を図っていく必要がある.