2018 年 32 巻 1 号 p. 22-26
2008年に二重抗原曝露仮説が提唱され, 抗原に対する感作経路および食物アレルギー発症経路として炎症のある皮膚面, つまり湿疹の存在が重要視されるようになった.
乳児期の湿疹・アトピー性皮膚炎の存在は食物アレルギー発症のリスク因子であることはすでに報告されている. われわれが行った乳児湿疹を認める生後1か月児のコホート研究の中間解析結果からは, 乳児期早期発症の湿疹は食物アレルギー発症のリスク因子であり, 特に持続する湿疹病変, 皮膚バリア機能異常の存在が食物アレルギー発症にかかわる重要な因子であることが示唆された.
皮膚バリア機能を念頭においた乳児の湿疹に対する早期介入が食物アレルギーの発症予防につながる可能性が示唆されるが, 今後の前向き研究での検証が期待される. また湿疹病変がなくても食物アレルギーを発症している児がいることは事実であり, 感作経路や発症経路の解明も含め, まだ検討されるべき課題は多い.