日本小児アレルギー学会誌
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シンポジウム3:長引く咳の治療戦略
長引く咳の診断
平井 康太
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2018 年 32 巻 2 号 p. 211-218

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抄録

 日常診療の場で最も遭遇する主訴の1つである咳嗽は患児だけではなく, 保護者のQOLも著しく悪化させるといえる.

 日本小児呼吸器学会より小児の 「咳嗽診療ガイドライン」 が作成され, 咳嗽は持続する期間によって, 急性咳嗽, 遷延性咳嗽, 慢性咳嗽に分類されている. 8週間以上の慢性咳嗽の原因としては, 喘息やアレルギー性鼻炎など, アレルギーに関連する疾患の頻度が高い半面, 成人とは異なる病態も推測される. さらに, 小児期では, 乳児期, 幼児期, 学童, 思春期と, 年齢により主たる原因が異なることも報告されているため客観的な評価法が望まれている. 咳嗽の評価を行うにあたり乾性・湿性という咳嗽の性状や回数, 発生時刻, 持続時間が重要であるが, 咳嗽の共通の定義がないため, 報告間の比較検討は困難であった. われわれは自家作成の咳モニターを使用し夜間の咳嗽について検討を続けている. ここでは長引く咳の原因となる百日咳, 気管支喘息, 心因性咳嗽などについて夜間の咳嗽の頻度や好発時間帯, 咳嗽音の違いなどについて解説する.

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© 2018 日本小児アレルギー学会
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