2018 年 32 巻 4 号 p. 728-734
喘息は個体因子と環境因子が絡み合って発症する. 個々の患者での発症・増悪にかかわる危険因子を明らかにして, それらに対する対策を講じることが予防の中心となる.
喘息の発症にかかわる個体因子・環境因子は, 個々の患者において多様である. 喘息の発症にかかわる個体因子には, 性別, アレルギー素因, 気道過敏性, 出生時の低体重, 肥満, 遺伝因子などがあげられ, 環境因子には, アレルゲン曝露, 呼吸器ウイルス・細菌感染症, 室内空気・大気汚染物質などがあげられる. 喘息発症の予防としては, 妊娠中および出生後のタバコの煙からの回避が推奨される. また, 早産児に対するパリビズマブは, 反復性喘鳴を予防することが示されている.
喘息の増悪にかかわる環境因子を調整することは, 薬物療法, 患者教育と並んで喘息治療・管理の大きな柱の1つである. 室内塵ダニを含めた吸入アレルゲンや非特異的因子 (タバコの煙, 室内空気・大気汚染物質) の曝露からの回避が推奨されている.