日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
Print ISSN : 0914-2649
ISSN-L : 0914-2649
ガイドライン解説:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017
第4章 危険因子とその対策
井上 祐三朗下条 直樹
著者情報
ジャーナル 認証あり

2018 年 32 巻 4 号 p. 728-734

詳細
抄録

 喘息は個体因子と環境因子が絡み合って発症する. 個々の患者での発症・増悪にかかわる危険因子を明らかにして, それらに対する対策を講じることが予防の中心となる.

 喘息の発症にかかわる個体因子・環境因子は, 個々の患者において多様である. 喘息の発症にかかわる個体因子には, 性別, アレルギー素因, 気道過敏性, 出生時の低体重, 肥満, 遺伝因子などがあげられ, 環境因子には, アレルゲン曝露, 呼吸器ウイルス・細菌感染症, 室内空気・大気汚染物質などがあげられる. 喘息発症の予防としては, 妊娠中および出生後のタバコの煙からの回避が推奨される. また, 早産児に対するパリビズマブは, 反復性喘鳴を予防することが示されている.

 喘息の増悪にかかわる環境因子を調整することは, 薬物療法, 患者教育と並んで喘息治療・管理の大きな柱の1つである. 室内塵ダニを含めた吸入アレルゲンや非特異的因子 (タバコの煙, 室内空気・大気汚染物質) の曝露からの回避が推奨されている.

著者関連情報
© 2018 日本小児アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top