2019 年 33 巻 5 号 p. 692-701
【目的】クルミアレルギー診断におけるJug r 1特異的IgE抗体検査の有用性を検討する.
【方法】8施設にてクルミ粗抗原特異的IgE抗体陽性でクルミアレルギーが疑われた症例を対象に, イムノキャップ法にてJug r 1およびJug r 3の特異的IgE抗体を測定し, ROC解析を用いて診断有用性を検討した.
【結果】対象は144例 (クルミアレルギー98例, 非クルミアレルギー46例) で年齢中央値は6歳であった. クルミアレルギーではクルミ粗抗原およびJug r 1特異的IgE抗体価が有意に高く, area under the curveはJug r 1が0.858, クルミ粗抗原が0.787, Jug r 3が0.284であった. Jug r 1特異的IgE抗体価では0.98 UA/mLの時に95%陽性的中率が得られ, 感度78.6%, 特異度91.3%であった.
【結語】クルミアレルギー疑い症例においてJug r 1特異的IgE抗体検査は診断に有用である.