2019 年 33 巻 5 号 p. 709-717
【背景】わが国における思春期アレルギー性鼻炎に対するHDM (house dust mite : ダニ) SLIT (アシテア®) の検討は少ない.
【方法】12~18歳75名を対象とし, 質問表による後方視点観察研究を実施した. この中で “とても良くなった” “良くなった” 群を改善群, それ以外の群を非改善群とし両群を比較した.
【結果】75名中57名より回答を得たが, 改善群は66.7%であった. 開始後4週間の副反応の有無はその後の効果に影響を与えなかった. 改善群と非改善群の比較では, 改善群で有意に治療継続期間が長く, また服薬アドヒアランスが良好であった. “悪化し中止した” 症例は6例で, 全例1か月以内に中止していた.
【考察】ダニSLIT開始後副反応が出現しても, その副反応を経て服薬を継続することができれば, 効果を期待できる可能性が示唆された. 非改善群は治療継続期間が短い例が多く, 継続して治療を続けることで改善率が上昇するのか今後の検討を要する.