日本小児アレルギー学会誌
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原著
牛乳特異的IgE抗体が陽性化する新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症患者のアレルゲンコンポーネントの特徴
明石 真幸
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2019 年 33 巻 5 号 p. 718-725

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抄録

 【背景・目的】牛乳特異的IgE抗体 (sIgE) が陽性化する新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症患者の牛乳アレルゲンコンポーネントの特徴を明らかにする.

 【方法】2010~2017年までに上記と診断された患者を対象として, 臨床経過と牛乳・カゼインsIgEおよびその比を後方視的に検討した. sIgEについて, IgE依存性牛乳アレルギー患者と比較した. さらに牛乳とアレルゲンコンポーネントsIgEの相関を調べた.

 【結果】対象患者は5名だった. 経過中最高値を示した時の牛乳sIgE中央値は70.5UA/mLで, その時のカゼインsIgE中央値は1.5UA/mLだった. IgE依存性牛乳アレルギー患者と比較すると, カゼインsIgEおよびカゼイン/牛乳sIgE比が有意に低かった. 牛乳とアレルゲンコンポーネントsIgEの関係は, αラクトアルブミンで最も相関していた.

 【結論】牛乳sIgEが陽性化する新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症患者のアレルゲンコンポーネントsIgEはIgE依存性牛乳アレルギーとは異なる傾向を認めた.

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© 2019 日本小児アレルギー学会
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