【背景】食物アレルギーの管理の基本は必要最小限の除去であり, 安全摂取量は食物経口負荷試験 (OFC) で決定することが望ましい. 乳児期でも同様と考えられるが, 乳児に限定したOFCの報告はない.
【目的】乳児期OFCの安全性と有用性について検証する.
【方法】2016~2018年に当院で乳児期に実施した鶏卵・牛乳・小麦OFCの診療録を後方視的に解析した.
【結果】129人に173回のOFC (鶏卵100例, 牛乳38例, 小麦35例) を実施した. 負荷量は患者背景を事前検討してテーラーメイドに決定した. 陽性率は鶏卵18%, 牛乳32%, 小麦26%で, Anaphylaxis Scoring Aichi 15以上は8% (13/173), うち40以上60未満は2% (3/173) に認めたがアドレナリン筋注を要する重症例はなかった. OFC結果から食事指導を行い, OFC前に完全除去の70% (99/141) が3か月後に0.1g以上を摂取可能であった.
【結語】乳児期OFCは症例ごとに負荷量を調整することで安全に実施可能である.