2020 年 34 巻 2 号 p. 231-242
【目的】本研究は, 食物アレルギー児のアナフィラキシー初期対応研修を受講した保育所の施設の特殊性と職員の属性の違いによる研修前と研修後・研修6か月後とのアナフィラキシー対応への意識・知識の差を明らかにする.
【方法】研修前の『アナフィラキシー対応に対する意識』『エピペン®に関する知識』の属性による差を分析した. 次に, 属性ごとの研修効果の差を Mann-Whitney U testにて分析した.
【結果】看護職がいる保育所の職員は, 「エピペン®持参の子どもの受け入れに対する負担感」が有意に少なかった. エピペン®持参児がいる保育所の職員, 研修受講経験のある職員は知識が有意に高かった. 看護職がいない保育所の職員, エピペン®持参児がいない保育所の職員, 研修経験がある職員は, 知識の変化量が大きかった.
【考察】全国の保育所に看護職の配置を推進していくこと, 看護職がアナフィラキシー対応のキーパーソンとなれるような支援, 定期的・継続的な研修受講ができるシステム作りが必要である. また, 保育所職員が臨床的判断力を身につけられるような教材の作成が今後の課題である.